今回は、2019年12月2日~12月6日に米ラスベガスで開催されたAWS最大のカンファレンスイベント AWS re:Invent 2019 において新しく発表された製品やサービスについて、かいつまんでのご紹介から始めたいと思います。
※もちろんですが、私は現地には行っておらず、雑誌やネットで紹介されている情報から整理したものをご紹介します。
(参考とした情報)
・日経コンピュータ 2019年12月26日号
フォーカス 「雲に加えオンプレも AWSの新戦略に迫る」
・クラスメソッド社 AWS re:Invent2019 JAPAN PORTAL
続々と発表されるAWSの新しい製品やサービス!
イベント期間内に20以上の新しい製品やサービスが発表されましたが、私が気になった(多少でも理解できる!?)ものについてご紹介したいと思います。
まずは、2019/01/17に配信した第196号でご紹介した「AWS Outposts」です。
当時はまだ具体的な内容が示されていませんでしたが、今回のイベントでその内容が一般公開されました。
「AWS Outposts」はAWSから提供される物理ハードウェアを皆さんの環境(オンプレミスの環境)に設置し、AWSの機能を拡張するもの。
AWSで利用できる、サーバ機能のEC2、ストレージのEBS、コンテナサービスのEKSなどをオンプレ環境で利用できるようになります。
製品の画像を見ると、サーバラック1台の中にぎっしりとサーバ類が入っており、これが一式として送られて来るようです。
少なくとも私が関わるシステムにおいて、通常のシステムではクラウド基盤で利用できるものがほとんどだと思いますが、
- 大量なデータをオンプレミス側に保有している
- 他のオンプレミスのシステムとの連携が必要
- クラウドとオンプレミスとの間で非常に速いレスポンスが必要である
- クラウドに送る前に前処理が必要となる
の場合に、「AWS Outposts」が活用できるようです。
山陰では、このレベルを求めることはなかなか無いでしょうし、必要なコストは月額200万から等、なかなかの費用感です(汗)
しかし、今後クラウド(AWSなど)を活用する上で、「AWS Outposts」の特徴が必要となった場合には、選択肢に入ってくるでしょう。
その他、AWSの気になる新製品・新サービス
ARMベースの新プロセッサGraviton2
AWSは独自のハードウェア構成でデータセンターを構成していますが、CPUも独自に開発し、AWSのサービスにおいて高いパフォーマンスが出る環境を作っています。
細かい仕様やパフォーマンスはネットの情報を確認いただくとして、新しいCPUが稼動するサービスを利用することで、より速い処理やより良い機能を使うことができるようになるため、我々にとっては結果的には安くシステムを稼動させることが出来るようになるでしょう。
AWS launches new program to drive migrations for end of support Windows Server applications
とても長い名前のWindows Server 2016ではサポートされていないアプリケーションを動作させることができるサービスです。
皆さんのご利用の環境には、Windows Server 2003や2008、もしかするとWindows 2000 Serverを利用している場合もあるかもしれません。
新しいOSで今使っているアプリケーションを動かしたくても動かせないことがあると思いますが、その問題を解決してくれる可能性があります。
デモでは、Windows Server 2016 ではサポートされていない Microsoft SQL Server 2000 を動作させることをやっていたようです。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進とは!?
AWSのサービスは非常に便利なツールですが、それらを使うだけでは我々のビジネスの業務効率化や利益増を簡単に達成することはできません。
更には、今回紹介させて頂いた新しい製品やサービスを使いこなすには相当なスキルも必要になります。
今盛んにデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が取り上げられていますが、私が勝手に理解しているDXとは、
「その組織の強みを最大限にして、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すると同時に、企業文化なども変革し、競走上の優位性を確立する。そして、企業として安定した収益を得られるような仕組みを作ること。」
です。
言い方を変えれば、何でも自分達で実施するのではなく、自分達の強みは何か、何を自分達が担当するべきか、アウトソーシングするものは何か、何を捨てて、何を残すのかを見極めて行く事だと考えています。
私たちのビジネスにITは無くてはならないものになっていますが、全てを自分達で持ったり、作っていては時間やお金(人)がかかってしまい、気が付いたら時代遅れにならないとも限りません。
これからのIT資産(システムや仕組み)は
- コストダウン:必要な時に必要なだけを調達する
- 耐障害性 :災害や障害を見越した可用性の確保など
- 俊敏性 :ビジネスニーズに合わせた素早い対応
- 運用負荷低減:管理されたサービスの活用など
に重点をおいた選定や利用が非常に重要になると思います。
AWSはツールの集まりですので、それらの選定や運用は弊社のようなSIer(システムインテグレートを行う業者)に任せて、その組織が本来やるべき事に集中していくことが重要であると考えています。
2020年は山陰におけるDXの推進元年になると考えていますので、私ももっともっと勉強して、DXが推進できるよう頑張って行きたいと思います!