クラウド系の記事については、数回に渡ってHCIを活用したプライベートクラウドをご紹介してきました。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)のサーバにNutanixのソフトウェアを搭載した製品の販売を開始したことに関するセミナーに参加して来ましたので、今回はその概要等についてお知らせします。
Nutanix社はソフトウェアベンダー!?
あれ?Nutanix社って、HCIのハードウェアベンダーじゃなかったっけ?と言う声が聞こえてきそうですが、間違っていません。
Nutanix社は自社で「NXシリーズ」のハードウェアを販売しています。
また、下記メーカーのハードウェアでは、Nutanixのソフトウェア(Acropolis Hypervisor:通称AHV)が稼動でき、Nutanixの販売するNXシリーズと同様の管理画面(Prism:プリズム)が利用できます。
・Lenovo
・DELL EMC
・IBM
・富士通
・HPE
つまり、ソフトウェアベンダーと言っても過言ではないんです!
実際、彼らのプレゼンでは
「我々はソフトウエアベンダーである!」
と言い切っているところは他のHCIを販売するメーカーとは一線を画していると言えるでしょう。
Nutanix上でファイルサーバ機能を提供する「Files(ファイルス)」や、仮想サーバ間の通信を制限するなどセキュリティを確保する「Flow(フロー)」は、Nutanixが提供するアプリケーションです。
それらの機能をハードウェアベンダーを問わず利用できることは、今までに無い選択肢が広がることになります。
「Files」や「Flow」の細かい機能については触れませんが、Nutanix社のホームページ等で是非ともお調べください。
これらの機能をHCI上で実現できると、初期コストだけでなく、管理・運用コストも大幅に削減することができます。
ただし、導入・利用には追加のライセンス費用等が必要になる場合がありますので、不明な点は導入ベンダー(例えば弊社とか!)にお問い合わせください。
様々なハードウェアベンダーでのNutanixのメリットとは!?
「Nutanixを使うなら、ハードもNXシリーズで良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それはそれで良いと思います。
しかし、皆さんの中には
「以前から○○社のサーバを利用しているから、取り扱いには慣れている。」
「保守の拠点も近いから、○○社のサーバが良い。」
などなど、ハードウェアへの拘りがある方もいらっしゃるでしょう。
それらの拘りがある場合は、慣れている○○社のサーバにNutanix社が提供するソフトウェアを使うことで、運用メンバーの安心感はより高まるはずです。
Nutanix社のNXシリーズではなく、よりきめ細かいスペックのハードを選ぶことができる他のハードウェアベンダーを利用する方が、予算や規模にマッチしたハードウェアを選定できるという利点もあります。
ただ、1点気になることは、ハードもNutanix社のNXシリーズを使うことには、AHVやVMWareなどハイパーバイザーのバージョンアップのほか、ハードウェアのファームウェアの更新も、マウスクリック一つで簡潔できるという大きなメリットがあることです。
他のハードウェアベンダーのハードを使った場合も同様にできれば最高ですが、実際はどうなのでしょうか?
先日、某メーカーのセミナーに参加したときに、Nutanix社の関係者に確認しましたところ、
「他社のハードウェアのファームウェアの更新もワンクリックで対応するのは、追々…」
と話をされていました。
そこで、他社のハードウェアーにNutanixのソフトウェアを導入する際は、その点をよく確認しておいた方が良いでしょう。
是非ご注意ください。
HCIを活用したプライベートクラウドの導入が加速している!
にてHCIを活用したプライベートクラウドに関する内容を書かせて頂きましたが、その第220号は2019年10月に発行しました。
それから約5ヶ月が経過しました。
その間に企業、病院、地方自治体など、様々なシーンでHCIを活用したプライベートクラウドの導入案件が進んでいます。
ソフトウェアベンダー毎に異なるサーバを導入していた環境から一気にHCIの基盤を導入し、ソフトウェアとハードウェアの調達を分離する場合もあれば、CPU、SAN、ストレージの従来の仮想基盤をHCIに乗せ換えるお話も良く聞きます。
いずれにしても、機能や処理能力だけではなく、HCIの特徴である
・省スペース・コンパクト
・スケールアウトの容易さ
などの利点から、HCIが選択されているようです。
但し、世の中に出回っているHCIが全て運用が楽になるのか?と言うとそうでない製品もあります。
山陰地域の皆様に私がHCIをお奨めしたいのは、エンタープライズではなく、規模にあった利用、つまり山陰地域の多くの企業で見られる「一人情シス」の組織で運用面のコストダウンができる場合での利用です。
この場合が一番HCIの利用がマッチしており、さらにNutanixが抜きん出ています。
決して私はNutanix社の回しものではありませんが、実際に導入し運用した結果から、運用コストや精神的負担が減った事を大いにアピールしたいと考えています!