5Gショック!

5G

この最近、話題にのぼるテクノロジー面の情報は「5G」でしょう。

第5世代移動通信システムのことで、産業を根底から変える可能性を有しています。

目次

そもそも5Gとは?

この5Gについて、よく引き合いに出されるのが、
「2時間の映画データを3秒でダウンロードが完了する」
というもの。


スピードは4Gの10倍です。


この「超高速」という特徴以外に、5Gには

 ・超低遅延
 ・多数同時接続

という、これまでの世代にはなかった特徴を有しています。

 

「超高速通信」により、自動運転やロボットの遠隔操作、IoT、高精細動画といった分野がぐっと進化します。


また、「超低遅延」という特徴により、高精細なリアルタイム映像の伝送が可能となり、遠隔医療などもますます進むことが予想されています。


「多数同時接続」は、1平方キロメートルあたり、なんと100万台の接続が可能になるため、家電・自動車などの身の回りのあらゆるものがネットにつながることができ、IoT化が一気に加速します。


ただし、低速・低容量の従来の通信規格と異なり、5Gは電波が届きにくいという特性があり、それがデメリットになっています。

 

5G普及による効果

総務省による試算では、5Gによる経済効果は約47兆円と試算されています。

この内、最も高い経済効果が予想されているのが、「交通・移動・物流」関係で、その額21兆円。


5Gで得られる経済効果の半数近くを占めます。


次いで、
 工場・製造・オフィス 13.4兆円
 医療・健康・介護 5.5兆円
 流通関係 3.5兆円
 スマートホーム 1.9兆円

という分野で、上記のような経済効果が予想されています。

 

特にこの分野の事業に携わっている方については、5Gは自社の事業に相当なインパクトがあるため、
ビジネスにどう活用していくのかをしっかり考える必要があります。

取り組まなければ相当の機会損失になりかねません。

 

大本命の「交通・移動・物流」では自動運転や無人走行が実現し、サービスのあり方ががらっと変わります。


人手不足の物流業界では、トラックの隊列走行が計画されています。

バスやタクシーでも自動運転に大きな期待が寄せられています。

 

また、ドイツで進んでいる「インダストリー4.0」が目指す「ファクトリーオートメーション」も、5Gによる無線化で生産性が大幅にアップすることが期待されています。

特に工場では、生産ロボットなどに配線が不要となるため、状況に応じて工場内のレイアウトを簡単に変更することができるようになります。


また、5Gにより同時にネット接続できる機器が増えると、工場の稼動状況をより具体的に把握することができるようになります。


さらにAIと組み合わせることにより、故障予知等が正確にできるようになれば、生産性の向上がさらに進むと期待されています。

 

課題解決を実現する5G

交通・物流関連に次いで、大きな経済効果が予想されている製造業ですが、現場の取り組みや意識はまだまだ低い状況です。

工場での5G導入により、生産性の向上が相当期待できるものの、その有用性が十分理解できていないことに加えて、どの会社も今の仕事で手一杯の状態で、なかなか先のことまで考えられない会社が多いのも事実です。

これは、山陰の製造業においてIoTがなかなか進まない実情を見ると非常によくわかります。


実態としては工場への普及にはもう少し時間がかかりそうです。

 

一方、通信を無線化することにより、社外からアクセスされるリスクを恐れる企業も多いようです。

確かに、5G導入において情報セキュリティの問題はこれまで以上に重要になるため、情報セキュリティは避けてとおれない課題です。

 

とは言うものの、これを解決する方法も総務省が検討しています。


これが「ローカル5G」


自治体や工場等の土地や建物所有者に対して免許が付与されるもので、工場などの事業者が自分の敷地内のエリアを限定して、自前の5Gネットワークを構築することができるようになります。


これによって、データ漏洩しにくくなるというメリットがあります。

また、自前の通信網を使うため、災害時におけるキャリアの通信障害等の影響も受けにくく、工場のBCPの対策の一つとして普及するかもしれません。

 

5Gのマイナスリスクへの対応も始まっている

一方、5Gによる自動運転の実用化により、マイナスの経営的インパクトを受けると予想されているのが『損害保険』です。


業界の保険料収入の5割を占めている自動車保険が、自動運転の普及により事故が激減すると、保険も激減すると予想されています。

このように、損害保険業界にとって5Gの普及はうれしくないニュースになっています。


そこで、保険業界では自動車保険のサービスの範囲を従来の事後対応から、事故を防ぐためのサービスに広げ始めています。

 


5Gは今後のビジネスに大きなインパクトを与えることが予想されています。

しかし、それによるビジネス上のプラスとマイナスのリスクを評価し、準備をしておくことが今後の生き残りにとって重要になってくるのは間違いありません。

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