新型コロナ一辺倒だった2020年!日本の自然災害はどうだったのか?

自然災害

新型コロナの感染拡大が進んだまま、いよいよ年末に突入することになってしまいました。

年末年始の活動は全国的に控えることで、感染拡大が収まってくることを願っています。

例年、年末はリスクマネジメントや防災関連の10大ニュースをまとめていたこともあり、今年も同じように整理しようとしました。

2019年12月にまとめた10大ニュース記事はこちら

ところが、もちろん1位は新型コロナウイルスの感染拡大であり、2位以降もそれに関連するものがずっとならんでしまいます。

そういうこともあり、もう少し違った情報をお伝えできればと考え、「2020年の自然災害はどうだったのか」ということを各種統計を踏まえて今回整理してみました。

今年最後の号では、それらの情報をもとに今年を振り、来年に向けて考えてみたいと思います。

目次

2020年の日本の自然災害:地震は?

今年はあまり大きな地震の記憶が無いと感じられている方は多いと思います。

12月に入って、東北で続けて震度5弱の地震が発生した時は、東日本大震災からの余震か、はたまた、新たな地震発生の前震か?と個人的にはちょっと気になっていましたが、それ以外はほとんど地震が気にならない年でした。


今年発生した震度5弱以上の地震を見ると、


<震度5強>

  • 3月13日 石川能登地方

<震度5弱>

  • 6/25 千葉東方
  • 9/4福井県嶺北
  • 11/22茨城県沖
  • 12/12岩手県沖
  • 12/21青森県東方沖

と計6回でした。

 

この「6回」は、今年は地震が少ないと自分が感じたとおり、少ない数字だったのでしょうか?

 


ここ数年の地震の発生回数を気象庁の「震度データベース検索」というサービスで調べてみました。


その結果、年別に見た震度5弱以上の発生回数は

  • 2020年: 6回(最大5強 1回)
  • 2019年: 9回(最大6強 1回)
  • 2018年:11回(最大71回)
     ⇒ 北海道胆振東部地震、島根県西部地震がこの年に発生
  • 2017年: 8回(最大5強 4回)
  • 2016年:33回(最大7 2回)
     ⇒ 熊本地震、鳥取県中部地震が発生

ということでした。


ここ5年間の状況と比較すると、

・今年2020年の地震の発生回数は2017年に次いで少ない
・震度5強以上の地震発生回数は最も少ない

ということになりました。


このように地震については、2020年は数・規模ともに少ない、小さい年であり、新型コロナウイルスの感染が拡大している中、地震の大きなダブルパンチが無く、幸いだったと言えます。


しかし、

・大規模地震の少なかった2017年の翌年2018年には震度7の地震が発生
・大きな地震の無かった2015年の翌2016年に熊本地震が発生

と、地震が少ない翌年の大きな地震が発生しているというパターンが続いて起きています。

筆者は地震学者ではないため、決して専門的な見地からの意見ではありませんが、上記のようなパターンを踏まえると、今何となく忘れかけている地震に注意が必要なのではと考えています。

 

2020年の日本の自然災害水害は?!

一方、ここ数年、水害は甚大な被害をもたらしており、今年は「令和2年7月豪雨」で甚大な被害が発生しました。


2020年7月3日から九州を中心に被害が発生し、島根県では江の川が再び氾濫しています。

この豪雨による死者は82名


水害については、2018年の西日本豪雨から、以下のように多くの死者が発生しており、死者数が高止まりしています。

  • 2020年 令和2年7月豪雨 死者82名
  • 2019年 台風19号    死者90名
  • 2018年 西日本豪雨    死者224名

これ以前の

  • 2017年 九州北部豪雨 死者39名
  • 2016年 台風10号 死者26名

と比べると、ここ数年は水害による被害が甚大になってきていると言えます。

 

そのため、水害への備えとして、まずはハザードマップを確認し、特に浸水予想区域内で事業をしている方は対策をしっかり検討、準備しておくことが今後さらに重要になってきます。


風水害の情報はこちらを参考にさせていただきました。

 

2020年の避難所運営における新型コロナ感染対策

大規模災害によって懸念されていたのは、避難所での新型コロナウイルスの感染拡大でした。


しかし、今のところ、熊本県内の避難所に県外から応援に来ていた保健師が新型コロナウイルスに感染していたという報道があったものの、幸い、避難所で感染拡大があったという情報は見当たらない状況です。


受け入れ側も感染対策をしっかり取っており、避難された方もかなり気を付けていた結果だと思います。


1995年の阪神大震災の際は、避難所でインフルエンザの感染が拡大したという例がありましたが、今回はそのような状況は避けられたようです。


それと、今回の感染対策として、体育館に仕切りのある段ボールベットが早い段階から設置される等の対応もとられています。

長い間課題だった避難所の環境改善に新型コロナ対策がかなり貢献した形となりました。


ただし、新しい課題としては、密を避けるために、避難者の人数制限をしたため、避難所への受け入れを断られたという情報が聞かれました。

仮に巨大地震が発生した場合は、今回は明らかにならなかったような問題がもっと出てくることでしょう。

まとめ

今年は新型コロナウイルスが一番大きなニュースでしたが、この記事では2020年の自然災害がどうだったのか整理しました。


地震は発生回数や規模を見ても、幸いなことにここ5年間では最も少なく、大規模地震と新型コロナのダブルパンチは今のところ避けられています、

しかし、ここ5年間の地震の発生数と規模の傾向を見ると、引続き大きな地震への警戒が必要ではないかと考えます。

また、水害による人的被害は高止まりをしていることから、今後も風水害への備えはしっかり行う必要があります。


つまり、来年は新型コロナに常に目配せしながらも、引続き地震や水害に備えていかなけらばならないと言えそうです。

こちらでは東日本大震災以降、BCPはどのように変遷していたのかをまとめています。

東日本大震災から10年:BCPはどのように変わってきたのか?

2019年にまとめた情報はコチラ

リスクマネジメントから見た2019年10大ニュース

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