新型コロナウイルスが与える企業への影響まとめ

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新型コロナウイルスに罹患された皆様やおよび関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

いつもなら新年度が始まり、フレッシュな気持ちで迎える時期ですが、今年はそういうムードもありません。

コロナウイルスの感染は海外で爆発的に広がっており、ここまで急に事態が進展するものかと驚いています。

日本は「持ちこたえている」「瀬戸際」というフレーズがよく聞かれています。

しかし、いつ次のステージに突入するのか?というのが、多くの人が気にしていることでしょう。


そこで今回も多少でも参考になればと思い、昨日行われた政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の概要や、新型コロナウイルスの企業への影響等についてまとめてみました。

斜め読み程度で状況確認していただけると幸いです。

目次

1.新型コロナウイルス感染症対策本部(第25回)の概要

既に報道などで内容は公表されていますが、4月1日に新型コロナウイルス感染症対策本部(第25回)の概要をまとめておきます。

国内の状況について

  • 新規感染者は都市部を中心に急増している。
  • 爆発的感染拡大(オーバーシュート)が見られている諸外国に比べ、拡大スピードは緩慢である。
  • しかし、既に医療体制がひっ迫しつつある地域もある。

 

今後の対策について

  • 専門家会議で、感染の蔓延状況に応じて、
      ・感染拡大警戒地域
      ・感染確認地域
      ・感染未確認地域
     の3つの区分けを示した。
  • 現状では行動変容をより一層強める必要性が指摘されている。
  • 「3つの密」を避ける行動の徹底等、感染拡大防止に向けた協力をお願いする。

 

学校の再開に向けた方針について

  • 文部科学省から新学期からの学校再開についての新たなガイドラインが報告された。
  • 学校の臨時休校がある場合、職場を休まざるを得なくなった保護者への助成金や放課後児童クラブ、学校教室の活用などの地域の実情に応じた取り組み支援を継続していく。
  • 欧米諸国の感染者の爆発的拡大に対する水際対策もさらに強化することにした。

 

水際対策について

  • 追加措置により、合計73の国と地域について入国拒否を行う。
  • 帰国した邦人等には空港でのPCR検査を確実に実施する。
  • 4月1日に感染症危険情報は全世界でレベル2以上となっている。
  • 査証の制限措置と入国者への検疫所長の指定場所での14日間の待機と公共交通機関の使用自粛を要請する。
  • 空港での適切な待機場所の確保、航空旅客便の到着数の抑制を要請する。
  • 3日午前0時から運用を開始、今月末まで実施する。

 

マスクについて

  • 政府が生産設備の投資を支援開始
  • 3月は通常需要を上回る6億枚超の供給を行った。
  • さらなる増産を支援し、月7億枚を超える供給確保の見込み。
  • 全国の医療機関に3月に1500万枚のサージカルマスクを配布。来週にはさらに1500万枚を配布する予定。
  • 高齢者施設、障害者施設、全国の小中学校に布マスクを順次必要枚数を配布していく。
  • 来月にはさらに1億枚の確保のめどが立ったことから、来週の緊急経済対策にこの布マスクの買い上げを盛り込み、全世帯に2枚ずつ配布する(日本郵政の全住所配布システムを活用)。

 

2.コロナウイルスによる企業への影響調査結果の公表

帝国データバンクがコロナウイルスによる企業の影響調査結果を公表していますので、危機管理担当者の皆様の参考となるよう、こちらも概要を紹介しておきます。


●帝国データバンクによる上場企業の影響・対応動向調査結果

1)新型コロナにより休業、防衛措置の影響を受けた上場企業数
・新型コロナにより工場や店舗などの影響を受けた上場企業は、昨年12月~3月31日までで1,042社
 (上場企業(約3800社)の約4社に1社が影響を受けている)

2)影響を受けている業種
・休業等の影響を受けたのは製造業、サービス行、金融・保険業の順で多くなっている

3)企業の対策
・企業ではテレワークやオフピーク出勤、特別休暇制度の取得推奨、プライベート含む海外渡航禁止・自粛行われている。
・当初サービス業中心に進められた在宅勤務は、製造業にも広がっている。

4)企業による協力
・テレワークやテレビ会議支援ツールの無償提供、臨時休校措置の児童への食事提供等が行われている。
・モスフードサービスは、新卒者内定取り消しに対応するため、追加の採用選考を行う。


●新型コロナウイルス関連倒産件数

新型コロナウイルス関連倒産は4月1日17日現在、全国で31件

その要因は以下のとおりでした。

・食品製造:出店したイベント来場者が予想より減少、販売不振
・クルーズ船運航:多数のキャンセル発生
・外食:外出規制による客足減少、ビュッフェ形式会食を臨時休業
・旅館:宿泊客キャンセル、施設老朽化による客数減少に追い討ち
・旅行業:ツアー中止継続
・衣料品製造・販売:来客減少
・レンタカー:インバウンド需要減
・衣料品卸:催事、展示会開催できず、売り上げ減少、外国人客急減
・小売業:来客数減少
・アミューズメント施設:休業により自己破産
・給食用食材卸:休校の影響
・住宅設備卸:中国生産部品組み込み機器の流通減り、売り上げ減少

2ヶ月前の企業の対応状況についてはコチラの記事で紹介しています。

コロナウイルスによる企業への影響と対応

4.感染者が発生した自動車メーカーの対応

国内自動車メーカー2社では感染者が発生しており、対応も報じられていますので、メモしておきます。

トヨタ

3月20日

  • 3月20日の高岡工場の製造現場勤務者に感染者発生したと発表。
  • 感染疑いが判明した19日に同従業員の勤務エリアの消毒作業を実施。
  • 行動履歴確認により社内の11人の濃厚接触者を特定し、同社員の最終接触日から2週間を自宅待機とした。

3月22日

  • 同じ高岡工場で2人目の感染者を確認したと発表。
  • 23~25日の3日間で高岡工場第1ラインを生産停止する。
  • 感染者は先の感染者の対面工程で作業をしていた従業員だった。特定された11名の濃厚接触者の1名
  • 新たな濃厚接触者5名を20日から自宅待機、さらに17名を自宅待機に追加した
  • 23日から該当建屋を封鎖し、消毒と感染防止策を実施

日産自動車 

  • 4月1日に日産自動車九州で従業員1名が感染していると発表。
  • 3月31日夜勤から生産ライン稼動を停止し、消毒作業を実施。
  • 再稼動は保健所の指導のもとで決定する予定。
  • 感染した社員の行動履歴を確認し、濃厚接触者と思われる従業員は自宅待機とした。
  • 2日は2つの生産ラインの内、感染した従業員が担当していなかったもう1つのラインを再稼動させる予定となる。別の生産ラインは3日まで停止、自宅待機従業員は2,000人。


最近訪問した県内の製造業のいずれも、感染者を出さないようにさまざまな工夫をしておられました。

島根県、鳥取県ではまだ感染者が発生していませんが、このような企業の取り組みも功を奏しているのかもしれません。

3.自動車メーカの対応状況

自動車メーカーの操業停止等の情報も続けて報じられています。

スバル 

4月1日に国内外の生産拠点の操業を一時停止

 

群馬製作所(矢島工場、大泉工場)

4月11日~5月1日まで17日間生産停止

 

スズキ

4月6日以降で稼動を減らす

 

トヨタ

高岡工場第1ライン、堤工場の第1,2ラインを4月3日~7日まで3稼動費を停止

田原工場の第1ラインを4月3日~10日の6稼働日を停止、第2ラインを4月3日~14日の8稼働日停止

トヨタ自動車九州の第1ラインを4月3日~15日の9稼働日停止

 

日産

追浜工場:4月3、13、24、5月1日の4稼働日で操業停止

栃木工場:4月6~22日、5月1日の14稼働日で生産停止

日産自動車九州:4月2~30日の全稼働日で昼勤のみ、5月1日は生産停止
 

ホンダ

狭山工場:4月16~17日に操業停止

熊本製作所:4月13~14日に操業停止

 

マツダ

本社工場:3月28日~4月30日の期間に13日間は操業停止、8日は昼勤のみ

 

三菱

水島製作所:第1ラインを3月27日~4月10日に11稼働日を操業停止

 

ダイハツ

滋賀第2工場:4月13~21日の稼動停止

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