台風15号による企業の操業停止や対応事例

水害

今回の台風15号は大きな被害が発生し、さらに広範囲での停電が 長期化したという特徴があります。

企業の操業停止の情報もいくつか報じられていますが、 報じられた情報をもとに整理してみました。

(各社報道で重複した情報は整理しています)

目次

台風15号による企業の操業停止や対応事例

 9/9 NHK

○三菱ふそう川崎工場

・9日の午後に操業をとりやめ ・電車運休で出勤できない社員がおり、道路渋滞などで取引先から 部品の調達が滞っている

○ジャパンマリンユナイテッド(造船大手)(磯子工場)

・クレーンが倒れるなどの生産設備の一部に被害発生

 

9/09 Bloomberg

○ソニー木更津工場(千葉県)

・PS4、フェリカICカード製造をしている工場の稼動停止

・同工場の700人の従業員は自宅待機 ○コスモエネルギーホールディングス千葉製油所(市原市)

・製油所の原油処理能力を決める中核設備の常圧蒸留装置2基が停止

○日産自動車追浜工場(横須賀市)、横浜工場(横浜市)

・操業停止、台風の影響で数箇所で冠水 ○日本製鉄(千葉県君津市)

・台風による大きな設備被害無し、点検のため一部設備を停止

・安全確認次第、順次再開

 

○JFEスチール製鉄所(千葉県、神奈川県)

・冠水と強風の影響で一部設備の操業を停止。

・点検と被害状況の確認を行い、順次操業を再開 9/9 日刊スポーツ

 

○三菱日立パワーシステムズ日立工場(茨城県日立市)

・9日午前、工場の操業を休止

 

○セブン銀行

・停電の影響で千葉県など388台のATMが停止

 

○日本郵便

・関東や東北地方などで一部の郵便物や宅配便に遅れが発生

・茨城県、千葉県、神奈川県などの一部の郵便局は窓口業務を  休止 ○セブンイレブン ・9日午後4時時点で千葉県を中心に約150店が休業 (多くは停電が理由、一部で浸水被害発生)

 

○ローソン

・9日午後1時時点で千葉県などの首都圏を中心に合計72店舗が 休業

 

○伊藤園

・9日午前に都内で予定したお茶飲料の新商品イベントを中止 9/9

 

サンスポ

○ソニー本社(東京都港区)

・JR運休にともない出社できない職員に対して、自宅で仕事をするテレワークで対応するように求めた。

・広報チームもほとんどの社員が出社できない。

 

○東芝

・生産活動への影響は無いが、出社できない社員にテレワークを呼び かける

 

9/9 朝日新聞

○日本マクドナルド

・首都圏を中心に約210店で開店を遅らせた

・午前9時までにほぼ全店で営業を開始

 

○東京ディズニーシー

・開園を午前9時に1時間遅らせた

・ディズニーランドは通常どおり午前9時に開園  (ただし、清掃などで一部立ち入り制限をしている区域あり)

 

9/10 サンケイ

○三越伊勢丹ホールディングス

・計画運休による従業員の出勤遅れを考慮し、三越銀座店の開店時間を10時から11時30分に繰り下げた。

 

9/10 ホテルバンク

○竜宮城スパホテル三日月(木更津市)

・停電と復旧にともなう通電により、ボヤが発生

 

○グランパークホテルパネックス君津(君津市)

・停電、断水により予約を順次キャンセル

・9/10のランチ営業も休止

 

9/12 食品産業新聞社

○千葉の酪農現場の状況 ・搾乳ができず、生乳を廃棄 ・自家発電機があっても、乳業工場が稼動停止で出荷できず

・扇風機を回せない牛舎で牛が死亡

・長期停電のため自家発燃料が切れ、急遽手搾りをしていた酪農家も疲労し、数日で限界

・搾乳機械等が動かせても、糞尿処理まで回らない

 

○千葉県内スーパー

・千葉県内の一部スーパーで地元牛乳会社の牛乳が品切れ

 

9/12 流通ニュース

○しまむら

・千葉県内の5店舗を休業 ・千葉県内の停電中の店舗ではレジの使用・通信ができないため、現金のみで会計を対応。レシート、領収証の発行ができない。

・日没に伴い、店内が暗くなった時点で閉店するための、通常より  営業時間が短い

 

○ベイシア

・12日に千葉県内の1店舗が停電のため休業

・その他、茨城・千葉エリアの店舗は営業しているが、一部商品の無い 場合もある

・13日午後1時に全店営業再開(同社ウェブサイトで発表)

・千葉流通センターが停電が継続、店舗に商品が行き届いていない

 

○コメリ

・12日に千葉県内1店舗が休業

・その他17店舗で停電のために影響が出ている

 

9/13 千葉日報

○環境クリーンセンター(東金市外三市町清掃組合)

・10日からごみの収集を停止

・ごみ焼却施設が停止。施設に被害無しだが、倒木が電線を損傷させ、設備を動かす電力が得られなくなった。

・13日も回収できる見込み無し。

 

9/22 日経

○雪印メグミルク  

県内の工場で生産する牛乳製品の一部で出荷を減らした

 

○イトーキ(オフィス家具大手)  

・委託先工場が停電で生産が止まり、部材を調達できなくなった  

・他県の協力工場から代替調達を進めるが、一部製品の出荷が再開できていない 

 

伊勢湾台風から60年 

60年前の9月26日は約5,000名の犠牲者が発生した伊勢湾台風が潮岬に 上陸した日です。

阪神大震災が起きるまでは、この伊勢湾台風が戦後最大の自然災害 でした。

そのため、26日には伊勢台風について紹介するニュースが いくつも報じられました。 ただ、60年前のことですから、このメルマガ読者さんは伊勢湾台風について 詳しく知っている方は少ないと思われますので、 最後に少しだけ紹介したいと思います。

 

伊勢湾台風の上陸時の中心気圧は「929.6hPa」と超大型の台風だった のですが、更に大型の台風だった1930年の室戸台風や枕崎台風よりも、 多くの犠牲者が発生した原因は「高潮」でした。

津波のように4m近い(名古屋港では3.55mと言われています)の 高潮が押し寄せました。 高潮によって名古屋市内の0メートル地帯が非常に広範囲に浸水する ことになりました。

しかし、広範囲の浸水だけでは、そこまで多くの犠牲者は発生しなかった はずです。

未曾有の大災害になった理由は、水に浮かんだ大量の木材がある貯木 場があったことです。 この貯木場の大量の木材が高潮で流され、住宅が大量に破壊されるこ とになりました。

被害が起きたのが夜だったことも、避難が難しくなった原因でした。

当時の住民の防災意識の低さや避難対策も不十分だったようですが、 直接的にはこれらが被害拡大の要因のようです。 風水害の場合、命を守るためには、とにかく早めの避難に限ります。

伊勢湾台風の詳しい記録はコチラ (内閣府防災ページ)

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