NHKでは、12月1日から8日を「体感 首都圏直下地震ウイーク」として、危機管理の必要性を国民に向けて発信しています。
その中の「パラレル東京」というドラマや、その後の解説を見て、BCPに繋がる部分が沢山あったので、自分なりに解釈した内容をお伝えします。
NKHでドラマ化された「首都直下地震」について
パラレル東京というのは、もうひとつの次元の東京というイメージで、放送している日にパラレル東京では首都圏直下地震(M7.3)が起こったことを想定しています。
まだ、全てのドラマを見ていないのですが、BCPを策定する時に重要だと言っている「想定」が数多く含まれており、参考になりました(ただ、企業のBCPの参考というより、個人個人が認識しておいたほうが良い内容です)。
第1話は、大量の帰宅困難者が発生した時に、どのような問題が発生するのかを取り上げていました。
一斉に大量に人が行動することで、以前、明石の花火大会であったような、「群集雪崩」が発生する可能性が高いとのこと。
特に、ビルが集中する所から、徐々に狭くなる通りに大量の人が押し寄せることで発生するようです。ドラマでは渋谷や新宿でそのような状態が発生していました。
これは、東日本大震災で多くの人が、交通機関の回復を見込まず、徒歩や自転車でなんとか家に辿り着いたという記憶が災いして、一斉に帰宅することを問題視するためです。
先ずは近くの安全な場所(自社がベスト)に待機し、直ぐに帰宅しようとせず、落ち着いて行動してほしいことを言いたかったようです。
もう少し深読みすると、企業に十分な非常食を常備しておくことを促しているとも思えます。
番組の解説の中では、実験中の「群集誘導ドローン」というものも紹介され、人の動きをどうすれば上手くコントロールできるのかを研究している様子も見てとれました。
第2話でも問題となりますが、避難者への正確な情報提供は最も重要な役目となります。
首都直下地震で危険視される火災旋風
第2話では、パノラマ東京の地震発生から2日目の様子を想定した内容になっていました。
火災の拡大で生ずる「火災旋風」を取り上げています。
ただ、火災旋風の怖さというよりは、情報の重要性に焦点が当てられていました。
ドラマの舞台は放送局です。
そのため、なるべく正確な情報を被災者に出そうとするのですが、インターネットの情報伝達の早さに、どう対応すれば良いかという放送局の悩みが取り上げられていました。
解説の部分で説明されたのは、「火災旋風が来る」というデマにより、逃げなくてもよい人が避難しようとして逆に火災に巻き込まれたり、群集雪崩を起こしたりすることの危険性でした。
ドラマの後半では、完全な通信ダウンが発生します。ビルの屋上などに設置している通信設備への電源供給が不能になり、全ての携帯網が遮断された状況が作られました。
そうなった時に、家族との連絡はどうやって取るのか、こんなときにどうするかを一度家族で話合っておいてほしいというメッセージがありました。
ドラマは4話まであるので、この記事で紹介できるのはここまでですが、首都圏だけでなく、山陰地方でも参考になることがありました。
事業継続力強化計画認定制度について
213号のメルマガで紹介しましたが、国の事業継続力強化計画認定制度の受付が始まり、多くの企業が申請を行っています。
この制度への応募は、BCPを策定していなくても可能ですが、ワークショップでBCPを策定された企業から、「BCPをワークショップで策定したので、事業継続力強化計画認定制度の書類作成は非常に楽でした。」とお礼の言葉を言われました。
あるセミナーで、「BCPは必要ない!事業継続力強化計画認定制度で求めている“事業継続へのやる気”を持つことの方が、煩雑なドキュメントを作成するより効果がある。」という説明も聞きましたが、BCP自体を知らなければ事業継続力強化計画認定制度へ提出する資料もなかなか記入できるものではありません。
このメルマガを読んでもらっている方の多くは、BCPに取り組んでおられると思いますので、是非、事業継続力強化計画認定制度にも応募し、事業継続のために国の補助を活用されることをお勧めします。
この制度のメリットを以下に記載しました。
●認定を受けた企業のメリット
1)金融支援
低利融資や信用保証枠の拡大等
そのため、小規模事業者にはメリットがあると思われます。
2)税制措置
防災や減災を目的にした設備投資への優遇措置
これは
・100万円以上の機械装置(自家発電機など)
・30万円以上の器具備品(衛星電話など)
・60万円以上の建物付属設備(止水板など)
に対して特別償却20%
3)補助金の優先採択
ものづくり補助金や持続化補助金等の優先採択
ちなみに、この制度に最も関心が集まっているのが、3)です。
相当効果のあるポイントがもらえるようです。
下記ページを参照して応募しましょう。