• 2017年12月19日AWSとは?IT業界の黒船か! AWS入門セミナー報告

    AWS全体

    「アマゾン ウェブ サービス(以下AWS)」は、アマゾングループが2006年に提供開始したクラウドコンピューティングサービスで、米国、欧州、アジアなど17の地域で提供されています。

    日本ではアマゾン ウェブ サービス ジャパン(株)が東京リージョン(データーセンター群)を同年開設し、サービスが提供されています。

     

    このAWSに関する情報を今回広くご提供するために、2017年12月14日に松江市のくにびきメッセにて、弊社主催の「AWS(アマゾン ウェブ サービス)入門セミナー」を開催いたしました。

     

    当日はアマゾン ウェブ サービス ジャパン(株)の2名のゲストスピーカーを含む計3名による情報提供とAWSの操作デモを行いました。

     

    この記事では、参加者約100人で満員御礼となった本セミナーの様子をお伝えします。

     

     

    AWS(アマゾン ウェブ サービス)の特徴とは?

    初めに、このAWSを初めて耳にするという方に向けて、簡単にご紹介しておきます。

     

    このAWSの最大の特徴は、現在用意されている300以上の機能を組み合わせることで、「簡単で」「すぐに」サービスを開始できるというところです。

     


    何も用意する必要がありません。

    しかも、使った分だけの本当に必要な費用しかかかりません

     

    セミナー内で紹介された事例の一つとして、

    コンタクトセンター(コールセンター)用のシステムがありました。

     


    システムを立ち上げるための設定は、以下のような簡単な流れでした。

     

    AWSのアカウントを作る

     ↓
    電話がかかってきた時に、どのような返答をするのかをシステムに文字入力する

     ↓
    AWSが既に保有している電話番号を選択して、設定する

     

    以上、終了です。

     


    この3ステップだけ、新たな電話番号の契約も不要でコンタクトセンターに係ってきた電話に対して、自動応答する受付システムがすぐに開設できました。

     


    この事例のように、AWSを使えば、これまでのようにハードを用意し、設計し、・・・・ 

    というステップを全て省略できます。

     

    そして、作ったシステムの保守対応もまったく不要。

     

    「使うことをだけに集中できる」のがAWSなのです。

     

     

     

    3人のスピーカーによるAWS講演概要

    本セミナーは3人の講演とAWSの体験・デモンストレーションという2部構成でした。

     

    まず、3人のスピーカーがどのような話をしたのかその概要をお知らせします。

     

     

    アマゾンとAWSの概要

    まず最初に、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(株)のストラテジックアライアンスマネージャーの中橋篤郎氏に、「AWSをはじめよう、クラウド最前線」と題して、アマゾンの経営ビジョンやAWSの特徴について詳しく紹介いただきました。

    nakahashi

    アマゾン ウェブ サービス ジャパン(株) 中橋篤郎氏


    印象的だったのは、アマゾンは「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」というビジョンを掲げていること。

     

    そこで、始まったサービスに利益が出るとサービス価格を何度も下げるということをしていました。

     

    「お客様のために」という姿勢がそのまま貫かれているようでした。

     


    また、AWSには新しい機能やサービスが日々どんどん追加されています。

    そして、弊社のような外部パートナーが、それらの機能を組み合わせながら、ユーザーに最適なサービス提供ができるようにしているということでした。

     

    セミナーでは時間の関係から、提供サービスのいくつかしかご紹介いただく時間がありませんでしたが詳しくはコチラに掲載されているためご確認ください。

     

     

    国内中小企業でのAWS導入事例

    2人目のスピーカーは西日本の顧客担当をしている西日本エリアマネジメント本部テリトリーアカウントマネージャーの柳生さおり氏です。

    yagyu

    アマゾン ウェブ サービス ジャパン(株) 柳生さおり氏


    柳生氏からは「教えて!中堅企業の事例に学ぶAWS活用サクセスストーリー」として、国内でのAWSの先行事例の中から、規模が比較的小さい企業を5社ほど紹介いただきました。

    AWSを使う前は、皆さん、AWSってうまく行くのかなと心配されるそうです。

     

    そのため、多くの例では、まずは小さく始めてみて、うまく行ったので利用範囲を広げていく、という流れが多いという紹介がありました。

     


    それと、AWSには無料枠というものがあります。

    特に規模の小さな企業はそこからテスト的に使い始めているという例もご紹介いただきました。

     


    今回ご紹介いただいた5つの事例のいずれも、担当者の皆様は


    「サーバのお守りから解放された」

    「すぐに導入できた」

    というメリットを感じているようでした。

     

     

    AWSはIT業界の黒船

    最後は弊社システムデザイン部の西村が、当地の企業の皆様に向けたメッセージをお伝えさせていただきました。

    nishimura

    セコム山陰(株)システムデザイン部長 西村元宏

     

    今後、競争力を高めていくためには、情報化、つまりIoTの推進が不可欠です。

     

    しかし、そのための多額な投資を行なう余裕までは中小企業にはありません。

     


    そこで、AWSが用意しているIoTシステムと安価なセンサーを組み合わせて改善活動ができる可能性をご紹介しました。

     

    あわせて、弊社が継続的に実施しているBCP・事業継続対応や情報セキュリティにも多いに役立つことを事例を交えてご紹介しました。

     

     


    最後にAWSをこれまでの情報系サービスのビジネスモデルの根幹をゆるがすIT業界における黒船にたとえ、この波に抵抗するのではなく、

    山陰地域の企業は、ユーザー企業も情報サービスのベンダー企業もAWSを積極的に利用し、外貨を稼いでいこうというメッセージを送りしました。

     

     

    AWS体験コーナー


    講演終了後には実際にAWSを操作いただくための体験コーナーをご用意していました。

     

    しかし、この体験コーナーへの参加希望者が予想以上に多かったことから、個別の対応は難しいと判断し、

    急遽2つのブースで操作デモを行い、希望者にその様子を見ていただくことにしました。

     

    一つのブースではAWSの機能にセンサーやスピーカー、防犯カメラを組み合わせた簡単なシステムをご紹介しました。

    booth1

     

    いずれも非常に安いコストで、短時間で構築したものでした。

     

    しかし、そのようなシステムがしっかり機能することをご紹介し、皆さん興味深くその機器を見ておられました。

     

     


    もう一つはwebサーバをAWSを使って立ち上げるというデモです。

    booth2

     

    こちらでは、実際のAWSの管理画面を操作しながら、AWS上にサーバを設定していくための具体的な手順を見ていただきました。

     

     

    まとめ


    今回のAWSセミナーは多くの方にご興味を持っていただき、それに応える情報をご提供できたかと思っています。


    具体的には

    • AWSのサービス概要
    • 国内での導入、活用事例
    • 山陰の企業としての活用の可能性と弊社による具体事例

    これらを今回ご紹介させていただきました。

     

    弊社にとってもこのような機会は初めての試みでしたが、AWSについては今後も様々な形で情報発信をしていきたいと考えています。

     

    引き続きご注目いただけると幸いです。

     

     

    ※アマゾン ウェブ サービス、Amazon Web Services、AWS、 およびAmazon Web Services ロゴは、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

     

  • 2017年12月15日島根県中央会主催BCPセミナーにて、情報化・情報セキュリティ・BCPについて解説

    全体

    平成29年11月16日(木)に島根県松江市の「サンラポーむらくも」にて、島根県中小企業団体中央会様主催のBCPセミナーが開催されました。

     

    このセミナーは近年、情報化の必要性が強調される中、横行する様々なサイバー犯罪が事業中断の大きな脅威になっていることを踏まえ、今後の企業経営において、情報化と情報セキュリティ、BCPをどのように進めていくのか、というヒントを提供することを目的として開催されたものです。

     

    弊社はこのセミナーの協力者として企画段階から参画させていただき、最終スピーカーも務めたことから、5月のBCPセミナーに引き続き、今回のセミナーの内容をレポートいたします。

     

    1.BCPがある無しで何が違うのか?

    基調講演は、「中小製造業が成長戦略を進める上でのサイバーセキュリティとBCPの正しい取組み方」と題して、(株)レジリエンシープランニングオフィス代表取締役 伊藤毅氏がお話されました。

    伊藤氏

    (株)レジリエンシープランニングオフィス 代表取締役 伊藤毅氏

     

    伊藤氏は富士通総研のBCM本部長として、長年、富士通グループ及び全国の大小様々な企業のBCP構築及びBCMの運用支援に携われ、BCPの専門家としては国内最高峰の方です。

     

    これまでの多くのBCPセミナーでは、「BCPは必要なので、BCPに取り組みましょう」というニュアンスの情報提供がされてきました。

     

    しかし、伊藤氏からは、

    「仮に事業停止してしまうような事態が起きれば、どの企業もBCPの有無に関わらず、事業再開に取り組むはず。では、なぜBCPが必要なのか?」

    という問いかけが会場の参加者に投げかけられました。

     

    そして、伊藤氏の答えは、「それは早く対応するため」でした。

     

    仮に非常事態に陥った場合、その場その場でいろいろな判断をすることになりますが、場合によっては時間がかかってしまう場合や判断が遅れる場合があるかもしれません。

    そのために、事前にBCPとして取りまとめておくことが必要になるという説明がされました。

     

     

    また、伊藤氏からは事業継続に必要なものは計画書としての「紙」ではなく、実質的な体制の維持・改善であるとの指摘もありました。

     

    その中で、小規模企業の優良な取り組みも紹介されました。

     

    その企業では、年に1度、全社員が集まるそうです。

    災害が起きた場合の対応方法を皆で検討した上で、これからしなければならないことを決めるとのこと。

    そして、半年後に再度皆が集まり進捗状況を点検する、

    そのようなことが行われているとのことでした。

     

    確かにそれだけでも十分なBCMの取り組みです。

     

    参加者からは、「話しを聞いて、どのようにBCPに取り組めばよいのかよく分かった」といったご意見をいただきました。

    伊藤氏の話から、皆さん非常に大きな気づきがあったようです。

     

     

    2.情報化の推進とリスク管理

    城東化成(株)執行役員の遠藤博部長から、「生産現場での情報化推進とリスクマネジメント・BCPの取り組み」についてご紹介いただきました。


    遠藤氏

    城東化成(株) 執行役員 部長 遠藤博氏

     

    同社では20年以上前から情報化を推進しています。

    少人数で効率よく業務をこなすために、これまで情報化を進めてこられました。

    もし今のような情報化が無ければ、今の従業員数では現在の売り上げを確保することは難しく、情報化推進による恩恵は多大なるものだとお話されました。

    現在の従業員数とシステム導入以前の従業員数はほとんど変わらないそうです。

     

    ただし、情報化に取り組み始めた当初は、周りの企業では同様の取り組みを進めている企業はほとんど無かったとか。

    そのため、先進的な取組み故に導入に際して苦労があったようでした。

    しかも、情報化を進めるにあたっては従業員からの反発もあったとか。

     

    しかし、同社の情報化は強力なトップダウンにより進められてきたそうです。

    その努力によって、現在の高効率的な運用体制が構築され、ITは同社に取って無くてはならならものになったということでした。

     

    遠藤部長は、これからも生き残っていく強い企業になるためには、情報化は欠かせないものであり、有効活用することが大事であるとお話されました。

     

    3.クラウド利用が情報化とサイバーセキュリティ、BCPを推進させる

    最後に弊社システムデザイン部長の西村元宏が、「島根県内の中小企業のためのサイバーセキュリティとBCPとは?」と題して、今回のテーマである「情報化」と「サイバーセキュリティ」「BCP」を、山陰の企業がどのように進めることがよいのか、その方法をお伝えさせていただきました。

    西村

    セコム山陰(株)システムデザイン部長 西村元宏

     

    このセミナーに先駆けて、BCPを策定している山陰両県の5社の製造業を訪問して、現在の製造現場が抱える様々な課題を確認してきました。

    その結果を踏まえて、情報化を推進することで、現在、製造現場が抱える課題をかなり解決できる可能性がある、ということをお話させていただきました。

     

    山陰両県の企業においても、今後の競争力強化のためには情報化が必要です。

    ただし、情報化を進めるということは、肝心な情報システムが止まってはいけないため、サイバーセキュリティと事業継続のための備えが同時に不可欠になります。

    とは言っても、中小企業にはそれらを進める資金的余裕はありません。

     

    そこで、リスクの低減と同時に、機能の向上や様々な改善が簡単にできるクラウド利用は有益であり、

    そして、クラウド利用により、「情報化」と「サイバーセキュリティ」「BCP」が同時に実現できるため、これが会社存続のための切り札になるとお伝えしました。

     

    特に中小企業でも価格的にも導入しやすく、そして機能が豊富な身の丈にあった対策の一つとして、AWS(アマゾン ウェブ サービス)の具体的な利用方法についてご紹介しました。

     

    AWSを使えば、設備に関する初期コストが不要なため、小さく始めることが可能となります。

    そのため、経営環境や顧客要求の変化に素早く対応ができることもできます。

     

    そして何よりAWSはサイバーセキュリティと事業継続への備えとしても適切な選択肢となることをご紹介しました。

     

     

    質疑応答

    最後に参加者からの様々なご質問に対して、3人のスピーカーにお答えいただきました。

    全体

    会場からの質問に答える伊藤氏

     

    参加された皆様からは、

    「マニュアルを作ることが重要ではないことが分かり気が楽になった」

    「非常時にやるべき事、そのためにやっておくべき事を見直そうと思いました」

    「BCPの本来の意味を知ることができ、クラウド利用について参考になった」

    等のBCPの本質を知り、色々と気付くことができたという多くの意見をいただきました。

     

    また、情報化推進については伊藤氏から、

    「既に気が付いている企業は、環境の変化に対応するため、大手のクラウドサービスを活用しはじめている。

    その有効性を理解していない企業は淘汰される可能性がある。

    なぜ、自前でサーバを用意する必要があるのか、そして、大手クラウドサービスの利用を否定する人は誰なのかをよく考えて欲しい。」

    とアドバイスをいただきました。

     

    時間の都合でセミナーが終了した後になっても多くの方が自社のBCPについてアドバイスを求めたり、今後の情報化推進について質問する方がいらっしゃるなど今回のセミナーが有意義であったことが感じ取れました。

     

    まとめ

    今回のセミナーは、 BCPを策定している企業も、策定していない企業も、BCPについて深く考えることができたセミナーだったと思います。

     

    今回のセミナーでは、

     ・伊藤氏の多数のBCP策定に携わった経験に基づくBCPの本質についての問題提起

     ・BCPを策定し、訓練も行っている城東化成様が進めている情報化推進による大きな効果

     ・情報化推進、BCP、サイバーセキュリティを同時並行に実現できるクラウドサービスの利用

    といった情報が提示されました。

     

    今回3名の講師による講演は、BCPをテーマとしているため、『非常時の生き残り』がテーマとしてありましたが、非常時に生き残るためには、平時の対応が重要だとそれぞれの立場からお話いただきました。

     

    今後も引き続きリスク対策を踏まえた情報化推進について情報発信をしていきます。

     

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